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石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 松橋 信平; 久米 民和; 関根 俊明; 内田 博*; 辻 淳憲*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.417 - 421, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:86.08(Chemistry, Analytical)これまで原研高崎のAVFサイクロトロンを利用して生物医学分野で有用となるラジオアイソトープの製造技術の開発を行ってきた。最近では、ポジトロン放出核種の製造技術の開発と二次元ポジトロンイメージング装置の開発により、植物での生理機能を解明する実験が可能となった。われわれが現在進めている植物における物質移動の動的な計測方法とそれらの実験に必要なポジトロン放出核種の製造技術及びその標識化合物の合成研究について発表する。
久米 民和
第23回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集, p.1 - 8, 1998/00
植物用に開発したポジトロンイメージング装置を用いた研究を紹介する。TIARA AVFサイクロトロンを用いて、Coガス、NO、F-水、F-グルコース、C-メチオニンなどの標識化合物を製造し、植物に供給して植物体内における移行を計測した。Cに関して、Coを葉に供給したコムギにおけるC光合成産物の根への短時間の移行、とくに幼根の先端への蓄積を示す鮮明な画像を得た。また、C-メチオニンを用いたアミノ酸転流に関するデータを得た。これらは、生きた植物体内におけるC化合物の移行をほぼリアルタイムで画像化した世界で最初の例である。また、NOやNHを用いたイネやダイズにおける窒素転流、F-水を用いた水の動態計測の例などについても述べる。
石岡 典子
放射線と産業, (80), p.11 - 15, 1998/00
ポジトロンは、電子とともに消滅して511keVのエネルギーの線をほぼ反対方向に放出する。この線の両方を検出すると、2つの検出器を結ぶ直線上でポジトロンが消滅したことが分かる。そして、その近傍にポジトロンを放出した核種が存在したことが分かる。この特徴のためにC,N,F等のポジトロン放出核種は、トレーサーとして医学において盛んに利用されている。原研では、同じ原理を用いる植物用のポジトロンイメージング装置(PETIS)を開発し、植物体内におけるポジトロン放出核種の動きを二次元画面上で追跡することを可能にした。この装置を用いて植物の生理・生化学的な機能を解明するために、我々は高崎研TIARAのAVFサイクロトロンによるポジトロン放出核種の製造・標識合成技術の開発を進めている。ここでは、ポジトロン放出核種を製造するために開発した照射ターゲットシステム及び現在進めている植物実験用ポジトロン放出核種や標識化合物の製造について、その方法や特徴を分かり易く紹介する。
石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 関根 俊明
Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds 1997, p.669 - 672, 1998/00
植物生理機能の解明研究に必要であるF及びN(ポジトロン放出核種)を製造するために、氷をターゲットとして用いることが可能な新しいターゲットシステムを開発した。原研高崎のAVFサイクロトロンで開発された二次元ポジトロンイメージング装置とこれらのポジトロン放出核種をトレーサーとして用いることにより、植物の物質移動を動的に計測することが可能となる。本報告書では、新しく開発した水ターゲット照射システムとそれを用いたF及びNの製造技術の開発について発表する。